西アフリカ、リベリア共和国からの報告

−長い内戦は人間の記憶に連続性と絆を失わせる−Page 3
1  2 / Page 3

国際開発協力ジャーナル2006年12月号掲載

 ミネラルウオーターを買うため、ドライバーが街角に車を止めた時、電柱の影から子供がこちらをじぃーと見ていた。 その街角の少年はカメラを向けると、こぶしを握り締めたまま、シャッターを押すまで気を付けの姿勢をしてくれた。 シャッターを押してお礼の手を上げると笑ってくれた。

 UNMIL関係者が良く行く市内のレストランで食事を取った際、テレビニュースでテーラー元大統領がナイジェリアからシラレオネに移送され、裁判にかけられると報道され

ると、拍手が沸いた。 その時、レストランのボーイは戦争も終わり、学校にも通えるようになった事が一番うれしいと言った事が印象にに残る。 戦争は教育の機会も奪っていたのだ。 長い戦乱を経た首都モンロビアに国の人口の約半分に当たる150万人が集中し、人、物、車が街にあふれている。 この集中した人々を故郷に返すプロジェクトでUNMILや多くのNGOが活動をしている。 その中には数人の日本人も働いている。 皆、平和が確実なる事を願っていた。  

1  2 / Page 3